〈第六章 嵐の爪痕〉
実家に帰ると夜九時で、当然その日の診察は無理でした。
予告もなく数ヶ月ぶりに帰ってきたことに驚いた母親に、私は「長谷部先生のところに行く・・・」「精神的な問題を抱えた」と言いました。
母親とは、この一年100語も口を利いていなかったさすがの私も、この晩は折れてこれまでの経緯を説明し始めました。
「中学校の時、B(フルネーム)って奴が居たでしょ・・・?」
中学校の「三年生を送る会」の音声起こしをしたり、B毒の症状を言語的に説明したりするのは始めてでした。 “【B毒の汚染】 第六章~嵐の爪痕~ その1” の続きを読む